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そうだったのか

 私は、大学から30代の半ばまで、約15年間、ラグビーをしていました。
 ポジションはずっとフォワードで、初めの2年間はロック、その後は主に№8、チームのニーズによってはフランカーをしていました。
 ちなみにフォワードとはスクラムを組む人たちのことを指します。自分で言うのも何ですが、割と頭が粗雑な人たちの集まりです。
 また、ロックとは時々ジャンプする人、№8とはスクラムの最後尾でいろいろ画策する人、フランカーとはフリスビーを追いかけるシェパードのような人です。
 私が大学2年の時、第1回ラグビーワールドカップがニュージーランド・オーストラリアによる共催で盛大に開催されました。仲間たちと、オールブラックスをはじめとする、世界トップの試合映像を夜中まで何度も繰り返し見ました。
 自分もその映像の中に入って、一緒に躍動するイメージを持ちました。勝手に。その大会は、以前にも増して、私がラグビーにグーッとのめり込むきっかけとなりました。そうなるだろうという予感はありました。
 さらに、のめり込むあまり、無用に長く大学に滞在するきっかけにもなりました。さすがにこれは予想外でした。先日、第9回ラグビーワールドカップが、ここ日本で開催され、国内外を含む多くのファンがラグビーの魅力に酔いしれたのではないかと思います。
 私たち夫婦は幸運にもチケットが取れ、昨年10月6日に熊本でトンガVSフランス戦を生で見るチャンスに恵まれました。ラグビーを引退してから15年以上経ち、大人になった私は、もう大学時代のクレイジーなフーリガンではなく、ラグビーを客観的に観戦できるジェントルマンになっていました。
 “ラグビーは子供を大人にする”のです。
 テストマッチは夕方4時45分からキックオフです。1時間以上前に会場に着いたのですが、10月だというのに、温暖化の影響でしょうか、やたらと暑く、運動公園の緑が美しく、ハイネケンが進みます。
 日本人ファン、そして外国から来たラグビーファン、ラグビージャージを着た小学生たち、たくさんのカップル、なぜか着物を着たフランスの男性陣も、みんな一様に激闘に対する期待感で、目が輝いていてすごい熱気です。
 もうハイネケンが進みます。
 ふと見ると、トンガのジャージを着た日本人男性が、たくさんの人に囲まれて写真を撮られています。まるでマッチョなモデルのようです。よく見ると上半身は裸です。ボディーペイントでした。そこまでして、ラグビー界を盛り上げようとしてくれている。嬉しいな。さらにハイネケンが進みます。
 一方で売り子の若いお兄さんが額に汗して一生懸命働いている。聞けば私の大学の後輩と言うではありませんか。感心だな。いよいよハイネケンが進みます。
 試合の前に、ハイネケンが進んだため、気付けばセピア色の夕暮れの中、セピア色に染まった私ができあがっておりました。さていざ、キックオフ。戦いの時。両チームともがんばれ!いやもう、はまりました。どはまりしました。
 後ろの席の子供がビールをひっくり返してもまったく気にならず、試合が終わって、やっと声が枯れていることに気が付きました。熱狂のうちに我が家の歴史的イベントは幕を閉じ、結果はフランスの勝利でした。
 トンガは惜敗ながら堂々たる闘いぶりでした。祭りの後、しばらくして、1つ確かなことを発見しました。
 それは「私はラグビーを客観的に見るなんてできない」ということです。
 “One for all All for one“や“ノーサイド”の精神から始まるラグビーは、チームプレーの大切さや自己犠牲の精神、勇気や潔さ、自助努力の精神、等々をラグビーに携わるすべての人々に教えてくれます。
 私がラグビーから学んだことはとても多く、深く、かつ大きいものがあります。客観視できない、と開き直った結果なのか、その後、公式球のレプリカは買うわ、公式ネクタイは買うわ、桜のジャージは買うわで、ラグビー愛が家計を圧迫する今日この頃です。
 最後になりますが、実は今回、もう一つだけ発見したことがあります。あくまでも仮説ですが。それは、“ラグビーは大人を子供にする”のではないかということです。(所)

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