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涙の味

 思い起こせば、小学生低学年の頃の私は、毎日のように学校で泣いていました。
 別に、宿題を忘れて先生に叱られたのでもなく、九九が覚えられなかったのでもなく、イジメられたのでもなく、授業中にトイレを我慢できずに、ついつい、、、でもなく。
私の涙のそのワケは、給食を食べきれなかったことにありました。


 土曜日以外は毎日やってくる、あの時間。楽しい給食?いえいえ、私にとっては悲しい給食の時間だったのです。先生は言っていました。牛乳は、よく噛んで飲みましょう。噛む?牛乳を?どうやって?液体なんだし、口に含んだら、即、ごっくん。じゃないと、時間内に食べ終われない!食パン2枚とバター若しくはジャムの類、これは袋入りだったので、即、ランドセルへ。あとは最大の難関、主菜と副菜、、、ダメだ、、、今日もやっぱり間に合わない。
少~しずつ口の中へ入れる、噛む、しかし、牛乳のようにはごっくんできない。いつまでもムニャムニャと噛んでいるだけ。好き嫌いと言うよりも、私にとっては、量と時間の問題だったのでした。
 そのうちに、給食の時間は終わり、お昼休み。みんなワイワイと校庭へ向かいます。え~ん、待って~、私を置いていかないでー。ひとり取り残され、ますます食べる気が起こらない、、、
 そしてそして、お昼休みも終わり、掃除の時間。絶賛お食事中の給食トレイが乗った私の机を教室の掃除当番がふたりして両側から抱えて前へ後ろへ。私は自分の椅子を持ち、移動する机について行きます。ホコリの中、涙を浮かべながら少しずつ食べ続け、やがて、掃除の時間も終わるのでした。
 ようやく先生から、残したままのトレイを給食室に戻しておいでとのお許しが出されます。給食室のおばさんにお詫びすることも忘れません。その辺は心得ています。だって、何度も経験済みですから。
 給食室から教室へと戻る足取りは実に軽やか。ひょっとしたら、うっかりスキップなんぞしていたかもしれません。明日もまた、繰り返すのに。
 主菜副菜を残す私には、もちろん、デザートを食べることは許されず、冷凍ミカンや三色ゼリーはランドセルへ。濡れないように、ビニール袋も常備しています。さっきのパンと共に、明日の私の朝食となることでしょう。
 だが、しかし、翌朝になったからって、給食のパンを食べてしまうことができるわけでもなく、遠のくデザート達。きっとまた姉が食べてしまうんだろうよ。
 結局、朝からも早く食べなさいと母に怒られながらパンをかじっていたのでした。
 なんだ、学校だけではなくって、家でも泣いていたんじゃん。
 ぐすん。給食と言うより、もはや、食事のたびに涙を流していたってことか、、、
 どうりで、いつも同じ味がしていたと思っていたんですよね。
 ま、数年後には、それくらいの量じゃ何の腹の足しにもならいくらいに心身及び胃袋も成長するんですけどね。                          (M)

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